仕分けしたものの……

10ポ Times としてアダナと共に送られてきた欧文活字を名刺に使ったら、ちょっとややこしい問題がでてきました。
心優しい活版仲間のおかげで仕分けが済んでいるので、安心して文字を組んで試し刷りをしたところ、校正をお願いした知人からこんな返事が。
「活字の状態があまり良くないから選り分けて使うべし(欠けたりキズのある活字がけっこうあった)。あと、別の書体が混ざってるみたいだよ」
なんですとー!
試し刷りの指摘された箇所を見てみると、パッと見たら分からないような違いがありました。これでは安心して10ポ Times を使えないということで、人名に使うアルファベットを複数並べて印刷し、活字を選定することにしました。


写真で、赤い印のある文字はキズや欠けのある活字(メツ活字というらしい。漢字で書くと滅活字?)。気付かなかったのですが、結構メツがありました。こんなにメツがある原因は、英国から送られてきたときの状態から察するに、活字を袋にザラザラーっと入れたために、活字同士で傷つけ合ってしまったということが考えられます。みなさんも、たくさんの活字を袋に入れるなんてひどいことはしないように、気を付けましょうね(涙)
そして青い印は別の書体の活字です。別の書体が混ざっているなんて疑いもしませんでしたが、10ポ Times より少し小さい書体が混ざっていました。微妙すぎる。さすがは書体に詳しい知人、いつもありがとうございます。


メツや別の書体の活字を取り除いて(とりあえず別のケースで保管)、使える10ポ Times が選り分けられました。オークションで入手すると、こんな苦労もあるわけです。