友人が印刷しに来た

自分の年賀状が終わってここに書くことが無くなったと思っていたところ、友人Mがうちに来て印刷をして行きました。
この友人Mは、わたしが活版にのめりこむ元凶を作った人物で、うちのアダナの共同出資者(オークションで落札した後に話を持ちかけたら、こころよく引き受けてくれた)でもあります。

Mのお題は年賀状に使う印刷物。そして、M持参の貴重な(?)活字を使用するとのこと。その活字は大阪で購入した「衣料類についているタグ用」のものなのだそうです。この活字の詳細はまた後日に書くとして、今回は「試し刷りと校正」の手順を写真で追ってみようと思います。いつもはわたし一人で作業も撮影もしているのでなかなか作業の流れが写真で再現できずにいたので。

活版印刷の手順
原稿作り
文選
組版
試し刷りと校正
・本刷り


下の画像は「チェースに版を組み付けている」様子です。試し刷りをするための準備作業ですが、これが結構時間がかかるんです。


画像で言うと、黒い枠がチェースと呼ばれる部品です。この枠の中に組版を固定した後、チェースごと版を印刷機にセットします。チェース組版の間は「締め木(隙間を埋めるための細長い木)」と「ジャッキ」を使って、組版が落ちないように、きつく締めます。組版の大きさは印刷物によってまちまちなので、決まった大きさの締め木を上手く組み合わせてぴったりはまるようにするのは、まるでパズルのようです。友人Mは途中で心が折れそう(?)になりながらもなんとか組み付けていました。


チェースに版を組み付けたら、いよいよ試し刷りです。

チェース組版付き)と紙を印刷機にセットして、ハンドルを押すと紙が組版に押し当てられます。アダナ印刷機では、版と紙が蝶番のように開閉する方式で印刷されます。試し刷りの場合は、印刷される位置(紙をセットする位置)を手動で微調整しながら刷っていきます。本刷りの時でも、この場所で良いなと思って刷っていると、いつの間にかだんだんずれてきたりすることが、なぜだか起こったりするので、いつでも一枚ずつ確認するに越したことはないのですが。


そして、できあがった友人Mの「今日の仕事」はこれ!

なんだか、かわゆい。この珍しい活字のことは次回紹介します。