うちの8ポ明朝ひらがなの現状

豆本を作ると宣言してから、原稿を書いたり消したりしている間に、一ヶ月が過ぎてしまいました。なぁーんか、うちの活字達が寂しがっているようなので、今日は8ポ明朝体のひらがなに登場してもらうことにしました。
いつぞやここで書いたように、8ポ明朝のひらがなはそろっていません。どのくらいそろっていないかというと、下の写真の通りです。

仮名類は「あいうえお順」ではなく「いろは順」にならんでいます。このスダレケースで、特に注目すべき点は、一文字だけ、やけにたくさんあるなっていうところです。これ、「の」です。

「の」がこれだけあったら「漢の委の奴の国王の印なのー☆志賀の島の田んぼの出身なのー」とかの組版には良いですけど、うちではそんな文章を印刷する機会はほとんどないので、もてあましちゃってる「の」なのね。

で、これらのひらがななんですが、いつもわたしがお世話になっている活字屋さんの母型(活字を鋳造するときの金型、詳しくは次回書きます)とはちがう母型の明朝体の可能性が高いのです。
以前その活字屋さんで和文8ポゴシック体をいくつか購入して、うちの8ポゴシック体と並べて刷ってみたところ、一目で分かるくらい違う形、太さだったので、おそらく明朝体も違うだろうなと。

ということで、豆本に使うひらがなを活字屋さんで購入するなら、今うちにあるひらがなを混ぜて使うわけにはいかないわけで……。それ、「の」だけじゃなくって、ぜんぶのひらがなをもてあましちゃってるってことなのー! でも君たちにもいつか活躍してもらえる印刷物を考えるから! 見捨てたりしないからー!(涙)